Wi-Fiルーターを買い替えようとすると、今はWi-Fi 6とWi-Fi 7が並び、さらに「6GHz」「MLO」「2.5Gbps」「メッシュ」といった言葉まで出てきます。
ただ、家庭用ルーターは一番新しい規格を選べば正解という製品ではありません。
1Gbps回線でスマホやテレビを普通に使う家庭なら、手頃なWi-Fi 6でも十分なケースがあります。一方で、2Gbps以上の高速回線や2.5GbE対応PC・NASを使うなら、有線ポートまで高速なルーターを選ばないと回線側の性能を活かせません。
さらに、2階建て・3階建てや部屋数の多い家では、1台の高性能ルーターより複数台で電波を広げるメッシュWi-Fiの方が解決に近いこともあります。
この記事では、現在楽天で購入できることを確認した製品から、役割の違う4モデルを比較します。ランキングではなく、どんな家・回線・使い方に向いているかで選べるように整理しました。
Wi-Fiルーターの基本から整理したい場合は、先にWi-Fiルーターの選び方も参考にしてください。
Wi-Fiルーターを選ぶ前に確認したい4つのポイント
1. Wi-Fi 7が必要かより「何が変わるか」を見る
Wi-Fi 7は、Wi-Fi 6より新しい規格です。対応製品ではMLOなどの新機能が使え、6GHz帯に対応するモデルなら混雑しやすい2.4GHz・5GHzとは別の帯域も利用できます。
ただし、Wi-Fi 7対応=必ず6GHz対応ではありません。
今回の候補では、BUFFALO WSR3600BE4P-BKはWi-Fi 7ですが、使う帯域は5GHz+2.4GHzのデュアルバンドです。一方、TP-Link Archer BE550/Aは6GHz+5GHz+2.4GHzのトライバンドです。
また、Wi-Fi 7の機能を活かすには、スマホやPC側も対応している必要があります。
いま使っている端末がWi-Fi 6中心で、インターネット回線も1Gbpsなら、Wi-Fi 6ルーターを安く選ぶ考え方も十分現実的です。
2. 1Gbpsを超える回線なら、有線ポートも確認する
無線側の「最大○○Mbps」だけ見ていると見落としやすいのが、有線のINTERNET/WANポートです。
ELECOM WRC-W601-B、BUFFALO WSR3600BE4P-BK、Aterm WX4200D5は、WAN側が最大1Gbpsです。一般的な1Gbps回線なら分かりやすい構成ですが、2Gbps・10Gbpsクラスの回線を契約しても、ルーターのWANポートが1Gbpsならそこが上限になります。
TP-Link Archer BE550/Aは2.5Gbps WAN×1と2.5Gbps LAN×4を搭載しています。2.5GbE対応PCやNASを有線接続したい人にも、こちらの違いは大きな意味があります。
つまり、高速回線を使う場合はWi-Fiの規格だけでなくWAN/LANポートの速度までセットで見るのがポイントです。
3. 広い家では「強い1台」よりメッシュが合うこともある
Wi-Fiは壁・床・水回り・設置位置などの影響を受けます。
そのため「高価なルーターを1台買えば家中どこでも届く」とは限りません。
1階は快適なのに2階の奥だけ弱い、廊下を挟んだ部屋で途切れる、といった場合は、複数の機器で通信エリアを作るメッシュWi-Fiを検討した方が解決しやすいことがあります。
今回のAterm WX4200D5/MSは、WX4200D5を2台組み合わせたペアリング済みセットです。最初から広い家を2台でカバーしたい人に分かりやすい構成です。
「メッシュと中継機のどちらにするか」から迷っている場合は、メッシュWi-Fiと中継機の違いで先に判断できます。
4. IPv6とアップデートも長く使うなら重要
ルーターは一度買うと数年使うことが多い機器です。
そのため、最大速度だけでなく、契約回線で使うIPv6 IPoEへの対応や、WPA3、ファームウェア更新なども見ておきたいポイントです。
今回の4製品はいずれも、現在の家庭用ルーターとして必要な機能をメーカー側で継続的に案内しているモデルです。ただし利用できるIPv6方式やセキュリティ機能は回線・製品によって異なるため、購入時には契約中のプロバイダーとの対応も確認してください。
4製品を用途別に比較
| 製品 | 向いている人 | Wi-Fi | 帯域 | 無線速度の目安 | 有線ポート | メッシュ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ELECOM WRC-W601-B | 価格を抑えて買い替えたい | Wi-Fi 6 | 5GHz + 2.4GHz | 1201 + 574Mbps | WAN/LAN 最大1Gbps | EasyMesh |
| BUFFALO WSR3600BE4P-BK | 1万円台でWi-Fi 7へ移行したい | Wi-Fi 7 | 5GHz + 2.4GHz | 2882 + 688Mbps | WAN/LAN 最大1Gbps | EasyMesh |
| TP-Link Archer BE550/A | 高速回線・6GHz・2.5GbEを使いたい | Wi-Fi 7 | 6GHz + 5GHz + 2.4GHz | BE9300クラス | 2.5Gbps×5 | EasyMesh |
| NEC Aterm WX4200D5/MS | 広い家を2台メッシュでカバーしたい | Wi-Fi 6 | 5GHz + 2.4GHz | 3603 + 574Mbps | WAN/LAN 最大1Gbps | 2台セット |
※無線速度はメーカーが示す理論上の規格値で、実際の通信速度を保証するものではありません。回線、端末、距離、壁などの条件によって変わります。
価格を抑えてWi-Fi 6で十分なら ELECOM WRC-W601-B
ELECOM WRC-W601-Bは、Wi-Fi 6対応のシンプルなデュアルバンドルーターです。
5GHzは最大1201Mbps、2.4GHzは最大574Mbps。WAN×1・LAN×3はいずれも最大1Gbpsで、IPv6 IPoEにも対応しています。
今使っているルーターがWi-Fi 5以前で、インターネット回線は1Gbps。スマホ、PC、テレビ、ゲーム機などを家庭内で普通に使いたい。そんな買い替えなら、必要以上に高価なWi-Fi 7機を選ばなくても、このクラスで十分なケースがあります。
EasyMeshにも対応しているので、後から対応機器を追加して通信エリアを広げる余地もあります。WPA3 Personalや自動ファームウェア更新に対応しているのも、長く使う機器として分かりやすいポイントです。
気になるのは、Wi-Fi 7・6GHz・2.5GbEといった新しい高速機能には対応しないことです。
1Gbps回線で予算を抑えて、古いルーターを現行世代へ置き換えたい人に向いています。
1万円台でWi-Fi 7へ移行するなら BUFFALO WSR3600BE4P-BK
BUFFALO WSR3600BE4P-BKは、Wi-Fi 7を比較的手頃に導入しやすいデュアルバンドモデルです。
5GHz最大2882Mbps、2.4GHz最大688Mbpsで、Wi-Fi 7のMLOにも対応しています。EasyMesh、IPv6 IPoE / IPv4 over IPv6、WPA3 Personalなど、家庭用ルーターとして使いやすい機能も揃っています。
ここで重要なのは、Wi-Fi 7ではあるものの6GHz帯には対応しないことです。
6GHzを使いたいなら次のArcher BE550/Aのようなトライバンド機を選ぶ必要があります。一方、6GHzまでは必要なく、現在の5GHz・2.4GHz環境をWi-Fi 7世代へ更新したいなら、この構成は分かりやすいです。
有線はINTERNET×1、LAN×3とも最大1Gbpsです。2.5Gbps以上の高速回線を有線までフルに使うモデルではありません。
1Gbps回線を中心に使いながら、価格を上げすぎずWi-Fi 7へ買い替えたい人に向いています。
6GHzと2.5GbEまで使うなら TP-Link Archer BE550/A
Archer BE550/Aは、今回の4製品では明確に高性能側です。
Wi-Fi 7に対応し、6GHz・5GHz・2.4GHzを使うトライバンド構成。現行の公式情報ではBE9300クラスで、6GHz最大5760Mbps、5GHz最大2880Mbps、2.4GHz最大688Mbpsの構成が案内されています。
さらに2.5Gbps WAN×1、2.5Gbps LAN×4を搭載しています。
この違いは、2Gbps以上のインターネット回線を使っている人や、2.5GbE対応PC・NASを有線でつなぐ人ほど意味があります。MLOとEasyMeshにも対応しているので、Wi-Fi 7世代の機能を幅広く使いたい人にも候補になります。
一方、1Gbps回線でスマホと動画視聴が中心なら、ここまでの有線性能や6GHz帯は使い切れない可能性があります。価格も今回の候補では高めです。
高速回線・対応端末・NASなど、Wi-Fi 7の性能を実際に活かせる環境がある人に向いています。
広い家を2台でカバーするなら Aterm WX4200D5/MS
Aterm WX4200D5/MSは、WX4200D5を親機とメッシュ中継機として2台セットにしたモデルです。
Wi-Fi 6対応で、5GHz最大3603Mbps、2.4GHz最大574Mbps。単純な規格だけを見るとWi-Fi 7機ではありませんが、この製品を選ぶ理由はそこではありません。
最初から2台で通信エリアを作れることが最大の違いです。
2階建て・3階建て、横に長い間取り、ルーターから離れた部屋など、「速度より先に電波が届かない」ことが問題なら、1台の高速ルーターへ予算を集中するより合理的な場合があります。
WX4200D5はメッシュ中継機として利用でき、メーカーは親機1台に対してメッシュ中継機を最大9台まで接続可能と案内しています。利用目安は36台・12人です。
一方、WAN/LANは最大1Gbpsで、6GHzやWi-Fi 7には非対応です。高速回線のスペックを最大限引き出すモデルではなく、家の中で安定してつながる範囲を広げたい人向けと考えると分かりやすいです。
結局どれを選ぶ?
迷ったら、まず自宅の問題が「速度」なのか「届き方」なのかを切り分けると選びやすくなります。
1Gbps回線で、古いルーターを安く更新したいならELECOM WRC-W601-B。
1万円台でWi-Fi 7へ移行したいならBUFFALO WSR3600BE4P-BK。
6GHzや2.5GbEまで含めて高速回線を活かしたいならTP-Link Archer BE550/A。
広い家で電波の届き方そのものを改善したいならAterm WX4200D5/MSです。
Wi-Fi 7は魅力的ですが、家庭内ネットワークでは「新しい規格」より、回線速度・端末・家の広さに合っているかの方が満足度に直結します。
まず必要な役割を決め、その役割に必要な機能だけへお金をかける。それがWi-Fiルーターを選ぶときの一番シンプルな考え方です。
価格・在庫は変動するため、購入時は楽天の商品ページで最新情報を確認してください。









