HDDが入っていないNASを買うと、次に迷うのが「どのHDDを入れればいい?」です。
NAS向けの定番を見ると、
- Western Digital WD Red Plus
- Seagate IronWolf
- TOSHIBA N300
あたりが候補に出てきます。
どれもNAS向けなので、名前だけ見ると違いが分かりにくいかもしれません。
先に結論からいうと、最初に見るのはブランドではなく、自分のNASメーカーが公開している対応HDD一覧です。
そのNASで使える型番に絞ったうえで、
- 価格と扱いやすさのバランスならWD Red Plus
- データ復旧サービスも選ぶ材料にしたいならIronWolf
- 7200rpmの性能寄りモデルを選びたいならN300
と考えると分かりやすくなります。
この記事では比較しやすいよう、3シリーズとも4TBモデルで揃えました。
先に結論:対応表に載っている製品の中から選ぶ
今回の3製品は、いずれもNAS向けの3.5インチSATA HDDです。
ただし、「NAS用」と書いてあるから自分のNASへ必ず使える、という意味ではありません。
まずNASメーカーの、
- 互換性リスト
- 対応HDD一覧
- 動作確認済みドライブ
を確認してください。
シリーズ名だけではなく、購入する型番まで見るのがポイントです。
たとえば今回の4TBなら、
- WD Red Plus:WD40EFZZ
- IronWolf:ST4000VN006
- N300:N300A04-HDWG740UZSVC
です。
同じシリーズでも容量・世代・型番が違えば、NASメーカー側の対応状況が変わる場合があります。
「3製品とも対応している」ことが確認できた後で、価格や特徴を比べます。
NAS用HDDと普通のPC用HDDの違いから確認したい場合は、NAS用HDDと普通のHDDは何が違う?で24時間稼働・ワークロード・CMRなどを整理しています。
4TBモデル3製品を比較
| 製品 | 楽天参考価格 | 回転数 | キャッシュ | 記録方式 | ワークロード | 保証 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| WD Red Plus WD40EFZZ | ¥33,980 | 5400rpm | 128MB | CMR | 180TB/年 | 3年 | 最大8ベイ向けの標準的なNAS用モデル |
| Seagate IronWolf ST4000VN006 | ¥33,663 | 5400rpm | 256MB | CMR | 180TB/年 | 3年 | 3年間のRescue Data Recovery Services |
| TOSHIBA N300 N300A04-HDWG740UZSVC | ¥41,520 | 7200rpm | 512MB | CMR | 180TB/年 | 3年 | 最大281MB/s、7200rpmの性能寄り |
価格は記事制作時点の楽天市場検索結果です。販売価格は変動します。
3製品ともNAS向け・CMR・3年保証という基本は共通しています。
違いが出るのは、回転数やキャッシュ、付帯サービス、そして実売価格です。
RAID1なら「4TBを2台買っても8TB使える」わけではない
2ベイNASでRAID1を組む予定なら、HDDを買う前にここを確認しておきたいです。
4TB HDDを2台入れてRAID1にすると、同じデータを2台へ書き込みます。
そのため、
4TB + 4TB = 購入するHDD容量は合計8TB
RAID1で使える容量の目安 = 約4TB
です。
実際の使用可能容量はNASのシステム領域や表示方法でも少なくなります。
「4TB分のデータを保存したいから、2TBを2台買えばいい」と考えると不足します。
RAID1の費用と実効容量は、NASをRAID1にすると何が変わる?で詳しく整理しています。
また、2台構成にするなら、同容量・同クラスのHDDで揃えると構成を理解しやすくなります。NAS側の仕様に例外はありますが、初めてなら同じ型番を2台用意する方がシンプルです。
WD Red Plus 4TB:価格とバランスで選びやすい
WD Red Plus WD40EFZZは、今回の3製品では5400rpm・128MBキャッシュの4TBモデルです。
メーカーはホームオフィス、パワーユーザー、中小企業などのNAS用途を想定し、最大8ベイのNASシステム向けとして案内しています。
年間ワークロードは180TB、記録方式はCMR、保証は3年です。
今回の楽天検索では、約3.4万円で購入できる販売先を確認できました。
向いているのは、
- 家庭・SOHOの2〜4ベイNASで使いたい
- 3製品の中で価格と基本仕様のバランスを取りたい
- 7200rpmを必須にしていない
- WD Red PlusがNASメーカーの対応表に載っている
という人です。
4TBだけでなく、同シリーズには複数の容量があります。必要容量が違う場合は、NASの対応表で使える容量・型番を確認して同シリーズの別容量を選べます。
Seagate IronWolf 4TB:Rescue Data Recovery Servicesも特徴
IronWolf ST4000VN006も、家庭や小規模NASで選びやすい4TBモデルです。
CMR、5400rpm、256MBキャッシュ、年間180TBのワークロード、1〜8ベイ対応という仕様です。
特徴として分かりやすいのが、3年間のRescue Data Recovery Servicesです。
これは対象条件のもとでSeagateのデータ復旧サービスを利用できる付帯サービスです。
ただし、ここは誤解しないようにしたいところです。
データ復旧サービスが付いていても、
「バックアップを取らなくてよい」
という意味ではありません。
HDDの故障以外にも、
- 誤削除
- NAS本体の故障
- ランサムウェア
- 盗難
- 災害
などがあります。
IronWolfを選ぶ場合も、重要なデータはNASとは別の場所へバックアップします。
向いているのは、
- WD Red Plusと近い価格帯で比較したい
- 3年間のデータ復旧サービスも選択材料にしたい
- Seagate IronWolfがNASメーカーの対応表に載っている
という人です。
TOSHIBA N300 4TB:7200rpm・512MBで性能寄り
N300 N300A04-HDWG740UZSVCは、今回の3製品の中では方向性が少し違います。
4TBモデルは7200rpm、512MBキャッシュで、最大連続データ転送速度は281MB/sとされています。
CMR、24時間365日稼働、年間180TBのワークロード、回転振動センサー、3年保証にも対応します。
今回の楽天検索では約4.2万円で、WD Red Plus・IronWolfより価格は高めでした。
向いているのは、
- NAS側がN300に対応している
- 5400rpmモデルより7200rpmを選びたい
- 1GbEだけでなく、より高速なネットワークや複数アクセスも見据えている
- 価格差より仕様を優先したい
という人です。
ただし、NASの体感速度はHDDだけでは決まりません。
1GbEのNASではネットワーク側が先に上限になることもあります。
「7200rpmだから必ずNAS全体が大きく速くなる」と考えるより、NAS本体・ネットワーク・使い方まで含めて選びます。
迷ったらどう選ぶ?
3シリーズすべてが自分のNASで対応確認されているなら、次の順で考えるとシンプルです。
価格と標準的な使いやすさならWD Red Plus
家庭・SOHOのNASで、特別に7200rpmや復旧サービスを優先しないなら、WD Red Plusは比較の基準にしやすいです。
今回の4TBモデルはIronWolfと近い価格帯でした。
付帯する復旧サービスも重視するならIronWolf
HDDそのものの基本仕様だけでなく、Rescue Data Recovery Servicesも含めて比較したいならIronWolfです。
ただし、復旧サービスをバックアップの代わりにはしません。
7200rpmを選びたいならN300
回転数や最大転送速度を重視するならN300です。
今回の4TB比較では価格は高めなので、その差を払って性能寄りの仕様を選ぶかを考えます。
4TB・6TB・8TB、容量はどう決める?
今回4TBで比較しているのは、3シリーズを同じ条件で見やすくするためです。
全員に4TBが正解という意味ではありません。
容量は、
- 今NASへ置きたいデータ量
- PCバックアップも保存するか
- 写真・動画が今後どのくらい増えるか
- RAID1後に実際に使える容量
- NASがその容量のHDDに対応しているか
で決めます。
特にRAID1では、同容量2台を買っても実効容量は1台分が目安です。
現在2TB前後のデータがあり、PCバックアップや写真が増え続けるなら、4TBでは余裕が小さい可能性もあります。
逆に文書中心でデータ量が少ないのに、最初から大容量を選ぶ必要もありません。
必要容量を決めてから、その容量で3シリーズを比較する流れがおすすめです。
NAS本体をまだ買っていないなら、HDD入りNASも選択肢
この記事はHDDを別に用意するNASを前提にしています。
まだNAS本体自体を決めていないなら、HDD搭載済みのNASを選ぶ方法もあります。
初めてで、
- NAS本体
- 対応HDD
- 容量
- RAID構成
を全部個別に選ぶのが難しいなら、最初からHDDが入っている製品の方が始めやすい場合があります。
反対に、SynologyやQNAPなどのディスクレスNASで容量やHDDシリーズを自分で選びたいなら、今回のように対応表からHDDを絞ります。
NAS用HDDを買ったら、バックアップも別に考える
NAS用HDDを選べば、NASの故障対策が全部終わるわけではありません。
RAID1もHDD1台の故障には強くなりますが、バックアップそのものではありません。
失いたくないデータなら、
- 外付けHDD
- 別のNAS
- クラウド
などへ別コピーを残します。
NASのバックアップ先は、家庭用NASのバックアップはどうする?で整理しています。
まとめ:ブランドより先に互換性。その後に3シリーズを比べる
NAS用HDDを選ぶときは、最初からWD・Seagate・TOSHIBAのどれが最強かを決める必要はありません。
順番は、
- 自分のNASの対応HDD一覧を見る
- 必要な容量を決める
- RAID1なら必要台数と実効容量を確認する
- 対応する型番の中で価格・回転数・付帯サービスを比較する
です。
今回の4TBなら、
- WD Red Plus WD40EFZZ:価格とバランスで選びやすい
- IronWolf ST4000VN006:Rescue Data Recovery Servicesも特徴
- N300 N300A04-HDWG740UZSVC:7200rpm・512MBで性能寄り
という違いがあります。
どれを選ぶ場合も、シリーズ名だけで買わず、NASメーカーの対応表で購入する型番を確認してから注文してください。








